重要事項
◆2024年度総会において、会員資格等に関わる会則変更が決議されました。会則はこちらからご確認ください
◆2024年度総会において、「オンライン会員管理サービスの導入」が決議されました。詳しくはこちらからご確認ください
◆機関誌『現代の社会病理』について、第34号(2019年)までの各原稿について、J-Stageへの公開に係る同意確認の手続きを開始いたしました。詳しくはこちらをご確認ください
◆異動等に伴う個人情報・連絡先の変更が生じている場合には、忘れずに事務局までご連絡ください。
◆非会員を第二報告者として認めること理事会決議に即して、「入会について」と「自由報告申込」にてご案内しておりますので、ご確認ください
日本社会病理学会とは
日本社会病理学会は、社会病理や社会問題を研究する日本の代表的な学会であり、1985年に設立されました。
学会の名称はE. デュルケムの「社会学的な病理学」に由来します。デュルケムは、現代社会がいかなる社会かを把握するためには、その比較対照となる特殊な現象、すなわち社会病理をよく理解する必要があると指摘しました。また、その具体的な分析を通して、特殊な現象の背景には、社会変化の過剰性や歪曲した制度・関係性が存在することを明らかにしました。さらに、そうした「社会が引き起こした問題」という観点から現象を捉え直すことで、個人に責任を負わせない解決策や予防策を考案しました。
現在は理論が発達し、他にも様々な分析手法が用いられますが、こうした起源は本学会の二つの主要な研究関心として引き継がれています。
ひとつは、社会病理や社会問題というものがいかに社会によって構成されるのか、またそれを促す現代社会とはいかなる社会かという関心です。本学会の名称である「社会病理学」は、社会が定義する社会病理や社会問題を自明視しません。むしろ、それらがいかに成立したのかを、多様な方法論や調査から反省的に捉える知を基盤にしています。
もうひとつは、社会病理や社会問題をいかに解決・予防するかという社会的な要請の強い関心です。本学会には、「非行・犯罪」、「いじめ」、「貧困問題」など大きな反響を呼んだ問題の具体的な調査・研究に取り組み、その実践的な対策の立案に多大な貢献をしている会員が多数所属しております。本学会はこうした問題解決志向も持ち合わせています。
これらの研究関心は常に両立するものではありませんが、相互に参照し合いながらそれぞれの質を向上させることもまた可能です。本学会はこうした観点から「時代の診断」と「時代の処方」をともに描くことを目標としています。
会員の研究分野は、社会病理や社会問題の基礎理論・学説、調査・研究・教育法をはじめとして、逸脱・非行・犯罪、社会福祉・社会保障・医療、家族、教育、学校、若者・児童、貧困、地域、産業・労働、性、文化・宗教、差別など多岐にわたる分野・領域に広がっています。さらに、親密な関係性の病理、電子技術と排除社会、ジェンダーやセクシュアリティの多様性など、まさに形成されつつある現代の新たな問題やその歴史的な経緯に着目する意欲的な会員も多数所属しています。
そのために、本学会の会員は大学・研究所・専門学校・企業等に所属する研究者に限定されません。小・中・高校の教員、更生保護・矯正領域の従事者、NPOの関係者、各施設のケースワーカー・ソーシャルワーカー等の広範な職種の人びとによって構成されています。また、学問のグローバリゼーションにも対応し、関連する分野・領域に属する海外の研究者とも積極的に交流し、調査・研究を進めていきます。
日本社会病理学会は学会機関『現代の社会病理』の刊行を通して、上記のような日本の社会病理・社会問題の研究を理論的・実践的に先導してきています。
日本社会病理学会の活動
- 社会病理学・社会問題研究の普及・振興
- 研究大会・部会(年1回開催・秋)および研究集会の開催
- 会員の研究促進、共同調査研究
- 機関誌(年1回発行)その他の刊行物の発行
(『現代の社会病理』<Journal of Social Problems>) - 内外における関連学会との連絡